会議の質を上げるうえで効果が大きいのは、会議中の進め方を工夫することより、会議が始まる前の準備を整えることです。質の高い会議を続けている会社には、4つの共通した準備があります。1つ目は、必要な情報を事前に揃えておくこと。2つ目は、アジェンダを「決めること」で書くこと。3つ目は、判断材料と論点を前もって共有すること。4つ目は、決定事項と次のアクションをその場で議事録に残すことです。
下期が始まり、キックオフや方針共有の会議が続いている会社も多い時期です。この記事では、中堅企業の経営者に向けて、この4つの準備を順に紹介します。
会議が長くなりやすいのは、なぜか
会議が長くなる原因の多くは、話し合いそのものではなく、事実の確認に時間が使われていることにあります。これは誰かの落ち度ではなく、情報の集まり方がこれまでのままになっていることから自然に生まれるものです。
数字の読み合わせから始まる
各部門が持ち寄った数字を、会議の場で初めて共有し、確認する。気づけば会議の前半がこの時間で終わっている、ということがあります。
「どれが最新か」の確認に時間がかかる
資料のバージョンが複数あったり、部門ごとに数字が少しずつ違っていたりすると、議論の前に事実をそろえる作業が必要になります。
結論が次回に持ち越される
判断に必要な情報が揃っていないため、「確認してから改めて」となり、同じ議題が何度も会議に戻ってきます。
会議の質を上げるには、何を準備すればよいか
1. 必要な情報を、会議の前に揃えておく
売上や受注、生産の状況が、いつでも誰でも見られる場所にまとまっている状態をつくります。会議の場で数字を読み上げる必要がなくなり、参加者は事前に目を通した状態で集まれます。
2. アジェンダを「決めること」で書く
「受注状況について」ではなく、「来月の増産を受けるかどうかを決める」というように、アジェンダには議題ごとのゴールを書きます。何のために集まるのかが、参加者全員に伝わります。
3. 判断材料と論点を、前もって共有する
選択肢と、それぞれの判断材料を会議の前に共有しておきます。会議の時間は説明ではなく、意見を交わして決めることに使えるようになります。
4. 決定事項と次のアクションを、その場で議事録に残す
決定事項、担当者、期限を会議中に記録し、終わった時点で全員が同じ内容を確認できる状態にします。次の会議は、その進み具合の確認から始められます。
準備が整うと、会議はどう変わるか
情報が会議の前に揃うようになると、会議の役割そのものが変わっていきます。報告と確認のための時間が減り、その分、現場の声を聞き、方向性を話し合い、判断する時間が増えていきます。
会議の時間が短くなるだけではありません。参加者が「この会議では自分の意見が求められている」と感じられるようになることも、大きな変化です。
経営者は、何から始めればよいか
会議の準備を整えるうえで、経営者の姿勢は大きな影響を持ちます。たとえば会議の冒頭で「資料は事前に見てきている前提で進めます」と伝えるだけでも、参加者の準備の仕方は変わっていきます。
経営者自身が「今日はこれを決めたい」と、アジェンダのゴールを言葉にすることも効果的です。会議の目的がはっきりすると、参加者は何を準備すべきかを自分で考えられるようになります。
情報が特定の人に集まっている状態を少しずつほどいていく考え方は、これまでの記事(情報は"社長の頭の中"にありませんか?、「見える化」を"定着させる"ために経営者ができる3つのこと)でも取り上げてきました。会議の準備は、その取り組みの成果をもっとも実感しやすい場面のひとつです。
まずは、一つの定例会議から
すべての会議を一度に変える必要はありません。まずは毎週の定例会議など、繰り返し開かれる会議を一つ選んでみることをおすすめします。アジェンダをゴールで書く、資料を前日までに共有する、決定事項をその場で議事録に残す。この3つを試すだけでも、会議の空気は変わり始めます。
よくある質問
会議の時間を短くするには、何から始めればよいですか?
まずは、会議で使う資料や数字を前日までに共有することから始めるのがおすすめです。会議中の読み合わせや確認の時間が減り、話し合いと判断に時間を使えるようになります。
アジェンダは、どのように書けばよいですか?
議題ごとに「この会議で何を決めるか」をゴールとして書くのが効果的です。「〇〇について」ではなく、「〇〇を進めるかどうかを決める」のように書くと、参加者が準備すべきことが明確になります。
議事録は、誰がいつ書くのがよいですか?
会議中に書記役を決め、その場で決定事項・担当者・期限を記録するのがおすすめです。会議の最後に全員で内容を確認しておくと、認識のずれや「言った・言わない」を防げます。
まとめ
会議の質を上げる会社に共通しているのは、話し合いの技術よりも、会議の前に情報が揃っている状態をつくっていることです。情報の事前共有、ゴールを書いたアジェンダ、判断材料の共有、その場で残す議事録。この4つの準備によって、会議は情報を集める場から、集まった情報をもとに考え、決める場へと変わっていきます。
ジェネロでは、monday.comのような業務基盤を使い、会議の前に必要な情報が自然と揃う仕組みづくりもお手伝いしています。この下期、まずは一つの定例会議から、準備の仕方を見直してみてはいかがでしょうか。