経営者向けAIプログラムを日本で広げたい理由ーScaled Agile社の"AI-Native"講座を、国内最初期に開講した本当の理由

AI-Native Leader

今年、私たちはScaled Agile社が提供する"AI-Native"プログラムを、日本で展開することを決めました。そして本日10月2日、その公開講座として「Leading the AI-Native Organization」研修を、東京・丸の内で開催しました。なぜ数あるAI研修の中からこのプログラムを選んだのか、そしてなぜ早い段階で動いたのか。今回は、その背景にある考えと、実際に開催してみて感じたことをお話ししたいと思います。

AI研修の多くに感じていた違和感

世の中には、すでに数多くのAI研修が存在します。ただ、その多くに目を通す中で、一つの共通した違和感がありました。それは、「AIツールの使い方」に終始していて、「組織としてどう向き合うか」という視点が薄いということです。

ツールの操作を覚えても、経営としての判断基準や、現場との合意形成の進め方が伴っていなければ、結局は一部の担当者だけが使いこなす道具で終わってしまいます。私たちが本当に必要だと感じていたのは、経営者自身が組織の変化をどう導くか、という視点を持てるプログラムでした。

これは、特定の業界に限った課題ではありません。CEOやCxOのような全社戦略の決定権者から、事業部長、DX推進責任者、IT戦略部門長、経営企画室長まで、業種を問わず多くのリーダーが同じ違和感を抱えているはずだと考えています。「AIに取り組め」と部下に指示したものの、自分自身が何を判断すべきかは実はよくわかっていない。現場は個人の工夫でAIを使い始めているが、組織として戦略的に動けている感覚がない。こうした状況は、業界の垣根を越えて共通しています。

Scaled Agile社を選んだ理由

Scaled Agile社は、もともとLean・Agileという、組織の働き方そのものを体系立てて整えるフレームワークを、世界中の多くの企業に提供してきた実績のある会社です。これまで200万人以上が受講し、2万社以上が導入してきたグローバルスタンダードを、大規模な組織変革の分野で築いてきました。

今回のAI-Nativeプログラムも、単なるAIツールの紹介ではなく、組織としてAIとどう向き合い、どう統制していくかという、ガバナンスの視点を土台に組み立てられています。これは、これまで私たちが多くの経営課題と向き合う中で大切にしてきた考え方ー技術そのものよりも先に、組織としての土台を整えるべきだという考え方ーと、非常に近いものでした。

このプログラムがコンサルティングと決定的に違うのは、戦略資料を置いていくのではなく、参加者自身が判断できる力を内製化する場であるという点です。実際のセッションでは、「AI Money Map」というフレームワークを使い、何を加速し、何を探索し、何をやめるかを参加者自身の手で決定し、90日単位のマイルストーンとオーナーまで落とし込みます。最終的に持ち帰るのは、誰かが作った提案書ではなく、自分たちでまとめ上げたアクションプランです。

なぜ、早い段階で動いたのか

正直に言えば、急ぐ必要はないという意見もあり得ると思います。それでも早い段階で動いた理由は、日本の企業にとって、AIとの向き合い方を誤ってしまう前に、正しい選択肢を示したいという思いがあったからです。

過度な期待に踊らされて拙速に導入し、後で後悔する会社を増やしたくない。かといって、慎重すぎて機会を逃してしまう会社を放っておきたくもない。その両方に対して、実績のある体系立てたプログラムという選択肢を、早い段階でご紹介できる立場でありたいと考えました。

AIのツールや技術は半年単位で移り変わっていきます。だからこそ、特定のツールの使い方ではなく、変化しても揺るがない「原則」と「判断のフレームワーク」を身につけることに価値があると考えています。

開催して、改めて確信したこと

本日、実際にセッションを進行する中で、改めて感じたことがあります。それは、参加者の関心が、AIツールの使い方そのものよりも、「組織としてどう向き合うか」「現場にどう浸透させるか」という視点に強く向いていたということです。

これは、まさに私たちがこのプログラムを選んだ理由そのものでした。ツールの操作方法を学ぶ場ではなく、経営としての判断基準やガバナンスの考え方を体系立てて学べる場であったからこそ、参加者の関心と内容が噛み合っていたのだと思います。「AI Money Map」を使って優先施策を決め、90日単位のマイルストーンとアクションプランまで書き切る。この一連の流れを通じて、抽象的な危機感が、具体的な次の一手に変わっていく瞬間を目の当たりにしました。

今後もこうした学びの場を継続的に提供していくことの意味を、改めて確信した一日でした。

まとめ

このプログラムを広げたい理由は、AIを煽るためではありません。業種を問わず、経営者自身が、組織としてAIとどう向き合うかを、体系立てて学べる場を提供したい。その思いから、国内でも早い段階での展開を決め、こうしたセッションを積み重ねています。