SAFe AI SummitのDay2は、Mik Kersten氏による基調講演から始まりました。今回は、そこで語られた内容と、その後の意見交換を通じて見えてきたことをお話ししたいと思います。
AI-Nativeな組織と、従来型の組織の差
Kersten氏の講演で強調されていたのは、AI-Nativeな組織と、従来型の組織との間で、生産性の差が今後さらに大きくなっていくという指摘でした。
その差を生む鍵として語られていたのが、Output(作業指示の結果)ではなく、Outcome(事業目標に対する成果)に注力する組織を、AIをベースに作り上げることです。どれだけの作業をこなしたかではなく、その作業が事業目標にどれだけ貢献したかを軸に組織を組み立て直す。これは、単なるAIツールの導入とは、まったく次元の異なる話だと感じました。
改めて感じた、可能性と実装の壁
この話を聞きながら、AI-Nativeという状態の可能性を改めて感じる一方で、率直な疑問も湧いてきました。それは、「実際に、どのように実装していけばいいのか」という、極めて実務的な問いです。
概念として理解することと、自社の組織にどう落とし込むかの間には、まだ大きな距離があります。
Dotwork社CEOとの意見交換
その疑問について、Dotwork社CEOのSteve Elliott氏と、組織変革をテーマに意見交換をする機会がありました。
そこで語られていたのが、TBM(Technology Business Management)とAI基盤(Graph DB)を組み合わせるというアプローチです。財務状況(事業目標)とDevOps(作業実施状況)という、これまで別々に語られがちだった二つの領域を、グラフデータベースを介してつなぎ合わせる。それによって、組織の機動性そのものを高めていくという考え方でした。
事業目標と現場の作業実態が、リアルタイムに近い形でつながっている状態。これは、まさにOutputではなくOutcomeに焦点を当てるという、Kersten氏の講演の内容を、具体的な実装レベルに落とし込んだものだと感じました。
日本に戻ってからも続く、この問い
この実装方法については、日本に戻ってからも調査を続けていきたいと思います。組織の財務状況と現場の実態をどうつなぐかという問いは、規模の大小を問わず、多くの企業が直面している課題のはずです。
なお、Steve氏は"The Decisive Company"という書籍も執筆されています。こちらについても、改めてご紹介できればと思います。