中堅企業の事業承継とDXは、なぜ同時に語られるべきなのか

事業承継とDXは、それぞれ別のテーマとして語られることが多いように思います。しかし、中堅製造業の現場を見ていくと、この二つは切り離せない関係にあることがわかります。

事業承継のタイミングは、仕組みを見直す好機でもある

先代から後継者へと経営が引き継がれるタイミングは、これまで当たり前だった業務のやり方を、後継者があらためて見つめ直す数少ない機会でもあります。

先代の時代には最適だった仕組みが、事業の規模や社員構成が変わった今も、そのまま引き継がれていることは少なくありません。承継のタイミングだからこそ、「なぜこのやり方なのか」を問い直しやすい、という側面があります。

DXを、承継の"前"に済ませておく意味

属人化した業務が、引き継ぎのボトルネックになりにくくなる情報が特定の人に集中していない状態を先に作っておくことで、承継そのものがスムーズになります。
後継者が、会社の全体像を早く把握できる情報が可視化されていれば、後継者が就任後すぐに、現場の状況を自分の目で確認できるようになります。
先代の経験を、仕組みとして残しやすくなる承継前にDXを進めておくことで、先代の判断基準や業務の流れを、記録として残す土壌ができます。

同時に進める際に気をつけたいこと

一方で、承継とDXを同時に進める際には、変化が一度に集中しすぎないよう配慮も必要です。経営者交代という大きな変化のさなかに、業務のやり方まで一気に変えようとすると、現場の負担が大きくなりすぎることがあります。

うまく進んでいる会社では、承継の前段階から少しずつDXに着手し、承継のタイミングでは"仕上げ"の状態にしておくという進め方が取られていることが多いようです。

まとめ

事業承継とDXは、別々の課題ではなく、同じ「会社を次の世代に引き継ぐ」というテーマの両輪です。承継を考え始めたタイミングこそ、業務の仕組みを見直す絶好の機会だと言えるのではないでしょうか。