AI活用の差は"賢さ"ではなく"文脈"でつくーAtlassianでTeamwork Graphを育てる

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私は普段、AtlassianやAIの活用について、お客様のトレーニングや導入の伴走をさせていただいています。その中で、最近は、「AIには、頭の良さよりも、適切な文脈(コンテキスト)を渡すことが大切だ」という考え方が、今ではすっかり前提になっているのを感じます。

その先で問われるのは、その文脈を、日々の仕事の中でどう積み上げていくかです。今回は、Atlassianの上で文脈を育てていく考え方と、それがなぜ将来に役立つのかについてお話ししたいと思います。

AIの答えが一般論にとどまるとき

性能の高いAIは、今やどの会社でも同じように使えるようになりました。それでも、返ってくる答えが一般論にとどまることがあります。そのとき足りていないのは、AIの能力ではなく、どの会議で決まった話なのか、どの資料が元になっているのかといった、自社ならではの文脈です。

AI活用のボトルネックは、今やAIの性能ではなく、AIに渡せる文脈です。

文脈は、情報と情報の「あいだ」にある

Atlassianは2026年5月の発表で、文脈とはファイルやチケットそのものではなく、その「あいだ」にあるものだと説明しています。判断の理由や経緯は、1枚のページや1件の課題の中ではなく、それらのつながりの中にある、ということです。

このつながりを持っているのが、Atlassianの「Teamwork Graph」です。Jiraの課題やConfluenceのページ、人やチーム、接続した外部ツールの情報までを、関係ごとまとめて扱う仕組みです。チームで情報を共有し、URLでひも付ける一つひとつが、このTeamwork Graphを育てていきます。

Rovoでも、外部のAIでも、土台は同じ

Rovoは、このTeamwork Graphをもとに答えを返します。Confluenceの画面から呼び出しても、Jiraや、つないだ外部ツールの情報まで見に行きます。

ClaudeやChatGPTのような外部のAIも、「Atlassian Rovo MCP Server」という仕組みでAtlassianにつなぐことができ、そこからもTeamwork Graphを使えるようになってきています。文脈というボトルネックを越えるための土台は、使うAIを選ばないということです。

同じ発表では、Teamwork Graphのデータに基づいて回答させると、正確さが44%上がり、AIが処理する量(トークン)は48%減ったという自社の検証結果も紹介されています。情報は元の閲覧権限を保ったままつながるので、AIが参照するのは、その人が見てよい範囲に限られます。

日々のひも付けが、あとで大きな資産になる

AIのモデルは、これからも新しくなっていきます。一方で、チームで積み重ねた文脈は、どのAIを使うときにも土台として残ります。今日つないだ1本のリンクは、明日のRovoの答えにも、来年使う新しいAIの答えにも役立ちます。

日々の情報の整理と積み重ねは、将来に向けて大きなレバレッジが効く投資だと考えています。特別なことは必要なく、たとえば次のようなことから始められます。

  • Confluenceのページに、関連するJiraの課題や元の資料のリンクを貼る
  • 決まったことは、個人のメモではなくチームが見られる場所に残す
  • 散らばった情報は、無理に引っ越さず、つないで一箇所から辿れるようにする

まとめ

AIの頭の良さは、どの会社にとっても同じスタートラインです。差がつくのは、そのAIにどれだけの文脈を渡せるかであり、その文脈は、チームの日々の共有とひも付けによって育っていきます。私自身も、お客様と一緒にこの土台づくりを進めていきたいと思っています。