『オープンソース』の魅力とは、何でしょうか?
『オープンソース』で代表的なのは、Linuxでしょう。サーバーを中心に基本OSとして幅広く使われています。他にもデータベースだったら、MySQLやPostgreSQL、そしてウェブサーバーだったらApacheといったものが良く知られています。
また、昨今話題ののクラウド関連だと、コンテナ技術のDockerやIMSといった通信系の交換機の基盤にもなるOpenStackといった技術もオープンソースです。
更にアプリケーションよりのCMS(コンテンツマネジメント管理システム)の領域ですと、WordPress(ワードプレス)やジェネロが注力しているDrupal(ドルーパル)等があります。
2015年のIDCの調査によると、国内企業の3割強が採用しており、大企業だと4割弱で、大企業になればなるほど、採用が進んでいるのが実情です。
そこでよく聞かれるのは、「何でオープンソース」やっているの?という事です。
ユーザー企業が『オープンソース』を使っている理由は、①自由度が高い、②価格が抑えられる、③特定の企業に支配されない、④技術者を確保しやすい、等といった理由が考えられます。
一方で良く必ず企業のIT部門から指摘があがるのは、サポート体制です。
企業が採用しているオープンソースの代表例は、基本OSの「Linux」で、エンタープライズ向けサポートサービスを提供しているのが、Redhat社です。
なので、ジェネロもそうですが、Drupal(ドルーパル)のようなCMS(コンテンツ管理システム)は、ソフトウェア自体は無料です。そして、何で収益を上げているかでいうと、企業として専門家を集めて、サポートサービスを提供する事で、収益をあげています。無料な分だけ、構築やサポートを、ライセンスではなく、サービスとして提供しています。
その中で何故、オープンソースをやっているかというと、「オープンソースからイノベーションが起きる」と信じているからです。
今、世界中の人たちや端末がネットワークに繋がっています。それは何十年も前からではなく、ほんの数年間の間にです。企業の枠を越えて、何万人もの人たちががコミュニティを形成して、日々ソフトウェアを開発していくんです。コミュニティのイベントに参加されると分かりますが、一企業が抱えるソフトウェアエンジニアの数を上回る人々が開発していく熱量に圧倒されます。
(出典:Drupal Association DrupalCON2017ウィーン)
オープンソースの技術者は、自分が書いたプログラムを発表し、そのコミュニティで評価されます。そして沢山の人たちに利用される事で、より高度な機能を目指し、スポンサーがついて収入を得ます。その『ポジティブなループ』さらに人を惹き付けて、発展していくんです。
優秀な人ほど、企業に寄りかからずとも、コミュニティでは、評価される為、企業は技術者を敬い、コミュニティを敬うようになります。
オープンソースの最大魅力は、『多様性を受け入れる文化』だと思います。
たくさんの異国同士の人たちが、お互いを敬い、教え合って、高見を目指していくコミュニティの姿に、島国で培われた日本人が持っている『仲間意識』に近いのを感じるのは何故でしょう。とても不思議です。
優れたオープンソースには、『多様性を受け入れる文化』があり、そこに企業や組織の垣根を越えた優秀な人達が集まってきて、イノベーションを起こす仕組みがあります。その人たちと仕事をすることで、これまでになかったサービスをクライアントに生み出していく。つまり楽しいんです。
皆さんも是非、オープンソースのコミュニティのイベントに顔を出してみてはいかがでしょうか?